
(爆発)(爆撃)(銃撃)
…ああ。今のはずいぶんと近かったですね。危ない危ない。
ええ。皆さん。本日はお招きいただきありがとうございます。
講演先の名前を聞いて少々いやな予感がいたしましたが、案の定こんな物騒な交戦地域に…いや失礼、こんな臨場感あふれる戦場にやってくることができ、光栄の至りです。
こちらの病棟は、ベッドに空きがないほど盛況なようで。なによりです。
この国の年金制度はよくわかりませんが、さぞや病院は大儲け…いや失礼。
あ。老人病棟と聞いておりましたので、ベッドの皆さんはご老人ばかりかと思っておりましたが、そちらの全身包帯の方、どうやらお若いようで。
ほう。ティーンエイジャーですか。はあ。なるほど。野戦病院の手に余る方々もこちらにいらっしゃるわけですね。さすがフロントライン。
しかし、フロントラインに養護老人施設をつくるとは、こちらのお国もずいぶんとあざとい事をなさる。ああ。これ以上もの申すといくら招聘された身とはいえ、当局に拘束される可能性がございますので、本題に入らせていただきます。
はい。そこの方。いいえ。あなたじゃありません。左腕がない方のあなた。何か。
え。口上はいいから一曲歌え。
…ああ。すみません。慰問に来たわけじゃあないんです。私は。
講演に来たんです。すみません。戦況芳しくない折に、こんな堅い話をすることになって。
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