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カバラ崎先生講義記録

カバラ崎先生講義記録第20回
『老いという快楽〜『衰え』の現象学的再解釈をめぐって』
ミョンモー国立福祉学院医学部特別養護老人施設『フロントラインの楽園』にて講演

この価値づけをさらに明確に味わうために開発された技術が、肉体バイク『加齢ダビッドソン』です。
これは、重く、重心移動すらままならない自身の肉体を、操縦に慣れを必要とする『オートバイ』になぞらえ、自分自身を操縦しなおすというデバイスです。
これは、三半規管内に人工的な耳石をつくり、そこに接続したハンドルレバーをこめかみから外に突出させるという簡単な技術で実現可能です。
ご老人は、そのレバーに手をかけ、任意の方向に倒します。すると、耳石が移動するためにその方向に平衡感覚がくずれ、肉体が反射でバランスをとり、移動し始めるという
つまり、任意の方向に『めまい』を起こし、肉体の反射を引き出すという原理です。
ちょうど、ウィンドサーフィンが風を受けて海面を滑るように、重力の流れに乗って地面を歩くことができます。
 日常生活が、そのままスポーツになるというわけですね。

また、年齢を重ねるほどに肉体は重くなるため、自然と『排気量』も増していきます。
このデバイス導入により、試験的に大規模導入を行ったモデル地域である東京都台東区では、一部のご老人がチームを組みさまざまな活動をされております。
自分自身を転がして回る町内ツーリングチームを作るミツバチ派、滑りやすい銭湯内でコース取りをして歩きまわる少々スリリングなモトクロス派など、さまざまな活動の幅が出る反面、深夜に町中を歩きまわる徘徊暴走族などもあらわれ、問題もはらんでいるようです。
今後、肉体バイクの車検制度や免許制など、法的な整備を進めていかなくてはならないでしょう。

こういった新たな文化を啓蒙するため、現在日本の漫画誌で老人の町内レーサーを主人公にした漫画『サーキットの浪』を連載するなど、さまざまな媒体の利用を展開しております。
その成果のひとつとして、現在日本で大人気のアニメーション『ジョクえもん』があげられます。

これは、寝たきりの状態で長く床と皮膚がこすれていると出来上がってしまう傷である褥創をテーマにした夢あふれるSFアニメです。
褥創をさらに放っておくと出来上がる、袋状の傷跡、褥創ポケット。
平凡な小学生の家に突然未来からやってきた寝たきり老人が居候をはじめ、その褥創ポケットからさまざまな便利な道具を出すことで起こる騒動を描くこの作品は、映画化されるなどの盛り上がりを見せています。
さらには、意図的に脇腹などに褥創ポケットを作って携帯電話などをしまいこむという新たなファッションの潮流『有袋族』が生まれるなど、アニメーションの枠を超えたムーブメントを形作りつつあります。

さあ、そんな技術の数々を、これから皆さんにお見せするわけですが…あれ。
なんだか看護師さんや介護士さんが残らずいなくなりましたね。
どうされたんですか?…あ。こちらのご老人はお話が困難。
こちらのご老人は…送管されてて離せない。
…困りましたね。
(落)
ん?なんだか音が聞こえてきましたね。
(落)(落)
近づいているようですよ。どこから?
(落)(落)(落)
うわ。上からですね。これはまずいんじゃないでしょうか?
(落)(落)(落)(落)
ああ。そうか。だから動ける方はみなさん逃げ出したんですね。…あ。じゃあ、私は?
(大爆発)



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